先日の『気』の視点からみた冷え性対策、そして、『体質別』の冷え性対策は、いかがだったでしょうか?
冷えにもいろんなパターンがあることが見えてきました。
今回は『臓』の影響からみる冷え性対策について、お伝えしたいと思います。
冷え性を引き起こす臓
手足の冷えや低体温は、腎、脾、肺の働きが弱っていることがあります。
1.腎
水分調整に関与しています。
腎が弱ると体の中に余分な水分がたまり、むくみを引き起こすことがあります。
このむくみによって、血行不良がおこり、冷え性となります。
2.脾
食べたものから栄養素を吸収し、体に必要なエネルギーを作ります。
気と血もここで作られます。
脾が弱ると消化力が低下し、栄養素や気血を作ることができなくなります。
その結果、栄養素が不足し全身にいきわたらず、特に末端の手足の冷えなどを引き起こします。
3.肺
肺は体の気をコントロールします。
肺が弱ると、気の流れが弱くなることがあります。
血の流れは気の動きに影響されるので、気の流れが弱くなると血の流れも弱くなります。
その結果、血行不良となり、冷え性となることがあります。
対策
手足の冷えや低体温を改善するためには、腎、脾、肺の働きを強めることが必要です。
食事や漢方薬、マッサージ、ツボ療法などが効果的です。
どのタイプも血行不良が引き起こされていますので、血行を促すような工夫が必要ですね。
ワンポイント中医学【蔵象学説:肺】
肺は体の中で使った二酸化炭素と新しい酸素を交換する場所ですが、中医学的には全身の情報を集めている場所でもあります。
これらの情報から、呼吸の調節や、気血津液の動きを管理することで、全身をきれいに、すなわち健康な状態に保っています。
そんな肺を労わるためには、深呼吸したり、たまには香りを取り入れたりと、普段何気にしている呼吸に意識を向けてみるようにしましょう。
まとめ
冷え性は中医学的なアプローチで、原因に応じた適切な対策が可能です。
「むくみ」「貧血」「環境」の原因別に対策もたてられますし、腎・脾・肺のバランスを整えることで対策もできます。
一番簡単なのは太陽にあたって陽気をもらうこと。
ぜひ前の記事などを見返して冷え性対策に役立ててくださいね。
参考文献
医療従事者のための中医学入門
中医学検定 2級・3級 公式テキスト