子どもの風邪対策に!中医学の基本ケア【子育て中医学】

子育て

冬に風邪をひきやすい理由

冬になると子どもが風邪をひきやすくなりますね。
特に寒暖差が大きい日や乾燥が進む季節は、子どもの体調管理が重要です。
これは経験的にもそう思っている方が多いかと思います。

では、なぜ、冬に風邪をひきやすいのかを考えたことあるでしょうか?

『寒いから』ですよね。

では、なぜ、寒いと風邪をひきやすくなるのでしょうか?
そのメカニズムについて、お話しようと思います。

中医学でみる風邪のメカニズム

①正常時は、体の中の熱エネルギーが適量であり、かつ、全身にくまなく分散している状態です。
過剰になった熱エネルギーは汗や尿などで排出し、ちょうどよい熱エネルギー量を保つのが理想的です。inとoutのバランスが取れているんですね。

②しかしこれが、過食でエネルギーを摂りすぎてしまった時や、運動不足でエネルギーを発散できない状況などが続くと、体の中で熱エネルギーがパンパンになってしまいます。

③ここでさらに、冬の寒さの影響で皮膚が冷えて固くなってしまうと汗腺が開きづらくなり汗がかけず、エネルギーは溜まる一方です。

④このエネルギーをどこかから出さなければならない!となった時に、出やすい場所から出ます。
それが、咳だったり鼻水だったり、熱や頭痛の場合もあります。これが一般的に言われる風邪の症状です。症状は人や体質によります。
これが、中医学的な風邪のメカニズムです。

中医学では、西洋医学ではあまり重要視されない、『冷えやむくみ』による影響を体調管理や体質診断にとりいれていき、適切な対策を行います。

子どもの風邪対策:中医学の基本ケア

では、どのような対策を取ればよいでしょうか?
熱エネルギーをため込まないためには、まずは食事の量を考えること。過食はエネルギー過多になり、体に負担がかかります。

次に、熱エネルギーを外へ追い出すこと、つまり、適度な汗を日頃からかくことが大切です。
そのためにできることをご紹介いたします。

日常のケア

◆お風呂でゆっくり温まるケア
 発汗作用、血行促進作用を目的とします。
 湯船にゆっくりと浸かって温まり、冷えが気になる部分とその付け根をマッサージすることで、汗をかきやすい柔らかい皮膚になり、血行改善による熱エネルギーの分散が期待されます。

◆熱を発散させるケア
 元気があれば、運動でエネルギーを発散させます。

風邪をひいたとき

風邪のひき始めは、お風呂が効果的です。
熱めのお湯に温まって手足を付け根からマッサージすると良いですね。
この時、熱めのお湯に入るのは、一時的に熱エネルギーを体に足して、その勢いで汗をかき、エネルギーを外に追い出すためです。

風邪をひいてから数日たっている場合は体力が消耗していることが多いです。
この場合は入浴は避けて、体を休めるようにしましょう。

◆熱を冷ますケア
 大根おろしには、胃に入ると胃熱を解消し、クールダウンする作用があります。
 また、むくみも解消するので、胃のむくみはもちろん、喉のイガイガ、咳などにも効果的です。
 喉の炎症に対して使用する場合は、大根おろしに少しはちみつをプラスしていただくと喉にも止まりやすく、効果的です。

◆顔のマッサージ
 顔には胃の経絡が流れています。
 顔のマッサージをすることで、胃の経絡の流れが活性化され、胃熱が顔から発散されやすくなります。顔は家に例えると換気扇のような場所。顔マッサージは小顔も期待できます。

※注意点
 風邪は自然に治ることが多いですが、症状が長引いたり悪化した場合は、医療機関へ受診しましょう。

ワンポイント中医学【むくみ】

中医学では『むくみ』が私たちの体に様々な影響を及ぼすと考えられています。
むくみは自覚がなくても体のあらゆる箇所に存在するものです。

このむくみが停滞すると、その部分の血行不良が生じたり、汗腺が開きづらくなったり、要は体の中の流れるべき物質の邪魔をしてしまうことがあります。時にはこれが原因で痛みや痒みを生じることがあります。

むくみは、温度で変化します。
温かい季節は水のように流れていることが多いですが、寒い季節は冷えて固まります。
この固まった状態がいわゆる『皮下脂肪』となります。

この、むくみや皮下脂肪をゼロにするのは難しいですが、停滞しないようにケアすることは可能です。
今回ご紹介した、【子どもの風邪対策:中医学の基本ケア】は、皮膚を柔らかくするので、むくみの解消にも役立ちます。
風邪対策の一環として、体のむくみを意識してケアしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

風邪の予防が元気な毎日への第一歩です。
ぜひ、日頃からできるケアを取り入れて寒い冬を元気に乗り切りましょう。

参考文献

胃のむくみを取ると健康になる